• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

複数の環境負荷を考慮した都市整備プロジェクトのライフサイクル評価手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13750521
研究機関名古屋大学

研究代表者

加藤 博和  名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (90293646)

キーワードLife Cycle Assessment / 環境負荷評価 / 地理情報システム / 持続可能な都市 / 都市立地計画 / 交通施設整備
研究概要

本研究では、都市空間整備プロジェクトが環境負荷発生原因となる各種人間活動をその後どのように変化させ、結果的に環境負荷をどのように変化させるかを把握することができるモデルシステムを、地理情報システム(GIS)上に構築することを目的としている。本年度は以下の分析を進めた。
1.都市活動シミュレーションモデルシステムによる予測:昨年度は、名古屋市を対象に、都市内のインフラ施設・建築物・交通活動のシミュレーションモデルシステムをGIS上に構築した。このシステムでは、名古屋市を詳細なゾーンに分けてデータを管理していることから、都市構造を現状よりコンパクトにする施策を評価することができる。また、建築物の建替時期もシミュレートしているため、建築物の長寿命化や材質変化・リサイクルの評価も可能となっている。本年度は交通活動の予測モデルに修正を加えた上で、本システムを利用し、都市のコンパクト化や建築物の長寿命化に伴う都市活動の変化を2050年までにわたって予測した。
2.環境負荷の予測評価:さらに、1.の変化の結果生じる環境負荷の増減を予測した。その際、昨年度開発した、都市活動に伴う様々な環境負荷を評価するためのLife Cycle Assessment (LCA)適用の方法論を用いて、インフラ・建築物およびそれらの存在に伴う都市への波及効果をも考慮したELCEL(拡張ライフサイクル環境負荷)によって評価を行うとともに、各種環境負荷の統合評価も試みた。その結果、都市構造のコンパクト化によるインパクトが最も大きいのは交通に伴う分であり、その多くが郊外-都心間交通量の減少に伴うトリップ長短縮に起因することが示された。一方、立替の際の省エネ建築物導入は、交通と比べてインパクトが小さかった。また、建築物の長寿命化によって廃棄物の量が将来的に大幅に削減され、これが統合評価後の全体の環境負荷を低減させるのに大きな効果を有することも分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 加藤博和, 林良嗣, 五藤祐加: "消費者の購買行動が流通構造を通して環境に与える影響の分析手法"土木学会環境システム研究論文発表会講演集. 30. 11-18 (2002)

  • [文献書誌] 加藤博和: "コンパクトシティと持続可能性-コンパクトシティは地球を救うか?-"交通工学. 37(増刊). 15-22 (2002)

  • [文献書誌] 加藤博和, 鈴木弘司, 丹羽晴紀: "自動車交通流改善施策の環境負荷評価のための走行モード別微視的原単位モデル"土木学会環境システム研究論文集. 30. 135-141 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi