研究概要 |
[1]固有周期に関して非単調に増加する変位応答スペクトルをもつような設計用地震動に対して,最大層間変位の分布が設計者が指定した分布に比例し,かつ,性能とコストの重み付き和で表現された目的関数を最小化するように,平面せん断型構造物モデルの層剛性を決定する手法を構築した(日本建築学会構造系論文集555号に掲載決定). [2]部分的に剛性が不足し,健全でない地震時応答を示すような立体せん断型構造物モデルに対し,粘性ダンパーによる減衰性能の付与と,補剛による剛性の付与を組み合わせた耐震改修を行うときに,設計用地震動下での最大層間変位の分布が設計者の指定した分布を下回り,かつ,粘性ダンパーのコストと補剛のコストの和からなる目的関数を最小化するように,最適粘性ダンパー量・補剛量を決定する手法を構築した.本手法は,最適化アルゴリズムを適用する際に必要となる,粘性ダンパー量・補剛量の変化に対する最大層間変位の変化の割合を示す「設計感度」を,微分で計算するのではなく,有限差分により計算することで,極めて軽微な数値演算負荷により,所定の条件を満たす粘性ダンパー量・補剛量を計算することができる(2002年度日本建築学会大会学術講演会で発表予定). [3]水平方向地震動下で所定の条件を満たすように設計された骨組構造物モデルに対して,鉛直方向地震動下で梁に生じるたわみが所定の範囲以内に収まるように,必要な梁断面の変更量を容易に決定できる手法を構築した(2002年度日本建築学会大会学術講演会で発表予定).
|