研究概要 |
実験計画をたて,試験体を作製した. (1)中低層の建物の基礎に多く用いられている既製杭を対象として,実物大の約1/2に縮小した柱・基礎梁接合部に杭を結合させた試験体を設計する.柱断面は35cm×35cmとし,杭は杭径300φのPHC杭を使用する.実験変数としては,基礎梁の断面と鉄筋量とする. (2)PHC杭を結合さ甘た柱・基礎梁接合部の試験体を作製する.試験体は柱・基礎梁・フーチング・杭が複雑に結合されているので,鉄筋の建て込み,型枠の作製と設置,コンクリートの打設などを信頼のおける試験体作製業者に依頼する. (3)実験は東京都立大学大型構造物試験室にて実施し加力用鉢骨フレームや柱に取付ける軸力載荷用の鉛直ジャッキ,水平力載荷用の水平ジャッキ(容量100tf)などは全て現有設備を用いる.水平変位,柱・基礎梁・杭部材のたわみ,ヒンジ領域の局部変形,杭の回転角などは高精度変位計によって測定する. 実験によって柱と基礎梁の杭の付いた杭接合部の力学的挙動を把握する.静的繰り返し載荷による破壊過程を詳細に観察するとともに,接合部に接続されている基礎梁の挙動も一緒に検討する特に接合部に結合されている基礎梁の挙動を理解するために,主筋・せん断補強筋のひずみやコンクリートの局所的な変形などを詳細に調査する.接合部の復元力特性を調べることによって,基礎梁ごとの変形性能を定量的に把握する.これによって,接合部を含めた骨組の靭性能を適切に評価できると考えている.
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