本研究は、缶詰などの食品加工業からの産業廃棄物として焼却あるいは埋立処分されている果実の核(種)を建材として有効利用することを目的としたものであり、その開発・実用化に向けた基礎研究を行った。平成13年度は、第1段階として果実核の性質に関する検討、第2段階として果実核の炭化および炭化果実核の性質に関する検討、第3段階として果実核および炭化度の低い炭化果実核の実用例としてコンクリート用骨材への利用に関して検討した。平成14年度は、桃および梅の果実核を対象として、下記の2点について検討を行った。先ず、炭化果実核の吸着・浄化機能を高めるための賦活処理の適用に関する実験である。桃および梅の炭化果実核の賦活では、賦活温度が高くなるのに伴い比表面積および細孔量が増加すること、および賦活時間が長くなるのに伴い比表面積が増加することなど、活性炭としての性能が向上すること、ならびに果実核を炭化する際の焼成温度の違いが賦活後の比表面積および細孔分布など吸着性能に及ぼす影響はほとんどないことなどが分かった。しかし、高温・長時間の賦活条件で賦活した果実核における吸着性能は、既に活性炭として実用化が進んでいるやし殻と同様の性能水準まで向上するものの、その材質は脆弱となり、そのままの形での使用は難しい。 さらに、賦活温度を高くするほど収率が悪くなり、特に梅の果実核でその傾向が顕著にみられた。次に、果実核および炭化果実核の実用例としてノーファインコンクリート(細骨材を用いないおこし状コンクリート)用骨材としての性質に関する実験である。桃の果実核および炭化物ならびに梅の炭化物を骨材として用いたノーファインコンクリートでは、川砂利および軽量骨材を用いたものと比較して圧縮・曲げ強度の面で劣り、強度は期待できないものの、その密度は低く非常に軽量であり、非構造用部材として実用の可能性があることが分かった。
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