研究概要 |
今年度の研究では,宮城工業高等専門学校内に在る木造小型平屋の試験住戸並びにRC造教室棟の教室部分を対象に,昨年度までの実験で用いていた測定システムをベースとして測定を繰り返して行っている. その中で得られた結果を基に,実在建物を測定する際に問題となる点を整理し,(1)測定中の内外差圧の振幅・周期,外部環境の影響について検討を行い,稼動部分であるアクチュエータやピストンのサイズやスペックを実在建物を計る上で適切なものへの変更,(2)測定システムの容量や設置について検討を行い,制御部分であるドライバーやコンピュータを設置が簡単で邪魔にならないような小型で軽量なものへの変更,(3)長期的なデータの蓄積について検討を行い,データ収録部分であるデータレコーダーやタイミングカウンタを精度や耐久性が優れたものへの変更,(4)空間の規模が大きい場合や複数の室に区切られているなど空間全体が1室と見なせないような場合について検討し,稼動部分であるアクチュエータやピストンを複数コントロールするものへ変更している. 以上のような変更により,システムをより実用的なものにするとともに,長期間や居住状態での自動連続実測を行う上で,隙間量や隙間の流れの特性値等の各種データを算出する方法について検討を行い,より簡易で精度良く求められるように分析方法を変更している.
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