ユニット型施設には、特別養護老人ホームや老人保健施設などの従来型大規模施設の生活単位を小規模分散化するタィプと、グループホームという新たな小規模施設を数ユニット複合するタィプがあり、指定基準などの違いはあるが、生活・ケアの実態は明確ではない。本研究ではこの2つのタイプのユニット型施設に対する調査を実施した。 まず、従来型のタイプへの調査として、これまでのアンケート調査結果に追加集計をおこない、ユニットケア型の特別養護老人ホーム・老人保健施設を54施設、抽出した。この中から協力の得られた施設では、利用者の概要、空間の利用状況などに関する観察・ヒアリング調査をおこなった。個室化や共用空間の複数分散化というハード面の整備だけでなく、グループホーム的なケア計画を実践する施設も登場し始めていることが捉えられた。 一方、グループホームに対しては、まだ全国的な実態調査は少ないため、とくにユニットに限定をせず、生活・ケア全般に関するアンケート調査を実施した。グループホーム名簿に基づき、678ホームに対して郵送し、有効回答は269ホームであった。グループホームは定員が5〜9名という設置基準があるため、`回答のあったホームの定員も9名が全体の半数を占めたが、10名以上(複数ユニットのグループホーム)も約15%みられた。複数ユニットの場合のユニット数は2つが最も多く、約7割であった。グループホームの立地している地域は、「住宅地」が6割強と最も多く、以下「田園地域」「山村地域」「商店中心の地域」の順であった。入居者の外出状況は「山村地域」での外出頻度が少ないなど、立地による影響が捉えられた。
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