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2002 年度 実績報告書

極薄グラニュラー薄膜の単電子トンネル効果を利用した巨大磁気低抗材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13750645
研究機関東北大学

研究代表者

三谷 誠司  東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20250813)

キーワード単電子トンネリング / 巨大磁気抵抗 / グラニュラー薄膜 / ナノ構造 / スピン依存トンネリング / 電流電圧特性 / クーロンブロッケイド / クーロン階段
研究概要

トンネル磁気抵抗効果(TMR)の磁気記録分野での応用を目指して。アルミナをトンネル障壁層としたコンベンショナルなプラナー型強磁性トンネル接合の研究が進んでいる。しかし、磁気記録の将来を展望した場合には、より大きなTMRやTMRに附随した新規機能性の開拓が不可欠であり、近年、TMRに関し種々の新しい試みがなされている。単電子トンネル効果を利用したTMRでは、通常のトンネル接合以上の大きさのTMRが期待されることに加えて、動作電圧によってTMRを制御できる可能性がある。
本研究では数ナノから数十ナノメートルの極薄のCo-Al-Oグラニュラー薄膜を上下電極で挟んだナノ構造試料を作製し、膜面垂直方向のトンネル電流におけるスピンに依存した単電子トンネル効果を調べた。
電子線リソグラフィー法によりサブミクロンサイズの試料を作製し、トンネル電流を調べた。昨年までの試料に比べて、試料作製上の細かな工夫を行っており、試料によってはS/N比にすぐれた測定ができた。以前と同様にTMRの振動現象等を観測したが、特に注目すべき結果はinverse TMRである。実験的確証を得るため、磁気抵抗曲線の詳細な測定を行った結果、クーロン階段の立ち上がり部分のみで生じていることが分かった。バイアス電圧によってTMRの符号が制御できることを示しており、新規機能性として注目すべき結果である。発現メカニズムの解明については、今後の課題であるが、微粒子中でのスピン蓄積効果やキャパシタンスの磁場効果などの可能性が考えられ、物理的興味も提供するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Yakushiji, S.Mitani et al.: "Tunnel magnetoresistance oscillations associated with Coulomb staircases in insulating granular systems"Journal of Physics D. 35. 2422-2426 (2002)

  • [文献書誌] S.Mitani et al.: "Fe/MgO/Fe(100)epitaxial magnetic tunnel junctions prepared by using in-situ plasma oxidation"Journal of Applied Physics. (in press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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