研究概要 |
当該研究に関して本年度は次に示す実績を得た. 1.試料作製方法の確立 原料粉末(Ti:44μm以下,B_4C:平均粒径10μm)を所定量秤量し(モルTi/B_4C比:3-10),混合した.混合粉末は石英パイプ内への充填または圧粉成型により円柱状グリーン体(10g)を得た.この時,パイプ内への粉末充填荷重または,圧粉荷重を変化させ,異なる空隙率(18-60%)を有するグリーン体を作製した.このグリーン体を高周波誘導によりアルゴン雰囲気下にて加熱し燃焼合成反応を誘起した. 2.セラミックの反応合成の確認 反応生成物の状態を観察するため,燃焼合成後試料のミクロ組織をSEMにより観察した.TiB,TiCから構成される組織が観察され,本系にて燃焼合成反応が生じること確認できた 3.グリーン体空隙率,Ti/B_4C比が空隙性状に及ぼす影響 Ti/B_4C比が3の場合には,グリーン体空隙率の上昇とともに燃焼合成後試料空隙率も増加するが,同比が10の場合は,低下する.また,Ti/B_4C比が3,グリーン体空隙率40%以上の試料では開気孔が生成し,それ以外の試料では閉気孔が生成した. 4.気孔生成の形状制御 Ti/B_4C比を小さくし,グリーン体空隙率を大きくして作製することにより,数百ミクロン程度の気孔が生じていることが確認できる.また,試料外部からの樹脂含浸を試みた結果,試料中央部までの浸透が確認できた.よって,この写真に見られる気孔は貫通気孔であると考えられる.Ti/B_4C比を大きくし,グリーン体空隙率を小さくして作製した試料は,球状の閉気孔が生成することも確認した.
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