飛灰中ダイオキシンの効率的分解に必要な密閉系・高伝熱性を同時達成するシステムとして密閉振動流動層を発案し、理論と実験の両面より本システムの流動挙動を明らかにするとともに、伝熱特性とその気泡挙動との相関を実験的に明らかにした。得られた結果の概要を以下に示す。 1.実験により確認された本システムの特徴的な差圧変動を表現する理論モデルを作成した。これより、想定機構による流動化の発現を実証できた。さらに様々な粒子ならびに装置モホロジーにてシミュレーションを行い、本システムをより効率的に運転するための装置改良点ならびに適用可能範囲などを明らかにした。 2.1.にて本システムは間欠流動層となることが理論的に示され、懸念される伝熱劣化は無く通常の流動層を同等の伝熱性能を有することを実験的に確認した。伝熱特性と気泡挙動の相関について実験的検討を行い、本システムを熱処理装置として適用する際の熱供給体挿入位置など設計に係わる基礎的情報が得られた。 3.1.2.の実験的・理論的情報を基に500℃まで昇温可能な高温型密閉振動流動層を設計・試作し、実際の飛灰中ダイオキシン分解実験を展開した。この検討により、実用化のために解決すべき問題点を明確にした。 なお上記結果については国内外にて口頭発表を行い、論文題目「密閉型オシレート流動層の開発」と「密閉型オシレート流動層の伝熱特性と気泡挙動との相関」として化学工学会に投稿を済ませた。さらに、特許を取得済みである。
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