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2001 年度 実績報告書

超臨界水中での炭化水素の部分酸化反応機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13750707
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東北大学

研究代表者

渡邉 賢  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40312607)

キーワード臨界海水 / 部分酸化 / メタン / メタノール / ポリエチレン / n-ヘキサデカン / 水素 / 合成ガス
研究概要

超臨界水を反応溶媒とした部分酸化反応を利用したプロセスの開発のためにその反応機構の解明が必須である。そのためにここでは、下記の項目について研究を行った。
(1)メタノールの酸化反応に及ぼす超臨界水のイオン的挙動の影響
メタンからメタノールを直接合成するプロセスの開発を最終目的として、まずはメタノールの酸化反応について検討を行った。その際、臨界点付近の超臨界水(400℃、25〜40MPa程度)では、酸化反応であってもイオン的挙動の影響が大きい可能性を研究代表者が以前から指摘していたので、ここでは酸化反応の制御性を確認するためにも、酸・アルカリを加えることで超臨界水のpHを変化させてメタノールの酸化反応を行った。その結果、いずれの反応条件においても、メタノールの酸化反応の主経路は、メタノールがまずCOに酸化され、その後COがCO_2へと酸化される逐次反応であることが分かり、また、各酸化反応の経路がpHに大きく依存していた。すなわち、pHが低くなるほど(酸性雰囲気)メタノールのCOへの酸化が抑制され、またpHが高い時も(アルカリ雰囲気)、酸性雰囲気と同様にメタノールのCOへの酸化が抑制された。COからCO_2への酸化反応は酸性条件ほど遅かった。これよりメタノールの酸化反応がpHにより、すなわちイオン的挙動により制御できることを示しており、あらたな有機合成の手法として有効である可能性が示された。
(2)炭化水素の部分酸化反応
研究代表者はまた、超臨界水中での部分酸化反応を廃棄物のガス化プロセスに利用することを考え、ここでは、ポリエチレンやn-ヘキサデカンといった重質炭化水素を超臨界水中で部分酸化させた。その結果、高い水密度の超臨界水中で部分酸化させることで、水素やCOといった合成ガスを高い収率で生成できることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Watanabe, K.Sue, T.Adschiri, R.L.Smith Jr., H.Inomata, K.Arai: "Control of Methanol Oxidation by Ionic Behavior in Supercritical Water"Chemical Communications. 2270-2271 (2001)

  • [文献書誌] 渡邊 賢, 阿尻雅文, 新井邦夫: "超臨界水中での熱分解および部分酸化によるポリエチレンの分解"高分子論文集. 58・12. 631-641 (2001)

  • [文献書誌] M.Watanabe, S.Sawamoto, T.Adschiri, K.Arai: "Polyethylene Conversion by Partial Oxidation in Superecritical Water"Journal of Material Cycles and Waste Management. 3. 99-102 (2001)

  • [文献書誌] M.Watanabe, M.Mochiduki, S.Sawamoto, T.Adschiri, K.Arai: "Partial Oxidation of n-Hexadecane and Polyethylene in Supercritical Water"The Journal of Supercritical Fluids. 20. 257-266 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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