研究概要 |
1 均一メソポーラスシリカの細孔壁のキャラクタリゼーション 調製法の異なる均一メソポーラスシリカの細孔壁の構造解析をX線回折法を用いて行った。調製法の違いによらず、均一メソポーラスシリカでは、Si-O距離はシリカガラスに概ね一致するがSi-Si距離はシリカガラスより短かい結果となった。Si-Si距離の差はO-Si-O結合角の違いから生じると考えられ、O-Si-O角がシロキサンリングの大きさの反映であると仮定すると、均一メソポーラスシリカはシリカガラスより小さなシロキサンリングにより構成されることが示唆される。^<29>Si MAS NMRにより均一メソポーラスシリカの調製法による違いが示された。酸性条件下の調製ではシラノール基に結合したSi種が多く確認され、また各Si種(Q^2,Q^3,Q^4)に起因するピークのケミカルシフトもより低周波数側に観測された。 2 分子動力学法を用いた均一メソポーラスシリカのモデル化 分子動力学法を用いた均一メソポーラスシリカのモデル化方法の開発を行った。通常の分子動力学計算を行うセルにメソ細孔に相当する原子排除領域を導入しMCM-41やFSM-16に類似したヘキサゴナルに配列した細孔を持つモデルの形成を行った。0.1Pa 300Kの計算条件でSiO_2組成のメソ細孔を有するモデルは、細孔をつぶすことなく安定に存在すること示された。このモデルは通常のMCM-41などに比べ細孔径は小さいものの、同程度の細孔径を持つメソポーラスシリカに表面積や細孔容積などは類似した値を示した。
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