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2002 年度 実績報告書

一次元炭素同素体カルビン状構造を起源とする多孔性炭素の調製と電気二重層容量

研究課題

研究課題/領域番号 13750770
研究機関群馬大学

研究代表者

白石 壮志  群馬大学, 工学部, 助手 (40292627)

キーワードポリテトラフルオロエチレン / カルビン / 多孔質炭素 / 電気二重層容量 / 細孔径分布 / メソ孔
研究概要

1.はじめに
現在、電気二重層キャパシタ用電極材料には活性炭などの多孔質炭素が用いられているが、多孔質炭素電極の微細構造と二重層容量との関係には不明な点が多い。研究代表者はこれまでに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の脱フッ素化反応によって生成するカルビン状構造から、高い二重層容量特性を示すメソポーラスカーボンを調製した。本年度は、上記のPTFE系メソポーラスカーボンの二重層容量特性と細孔側壁の炭素原子の配列状態との相関について明らかにした。
2.実験手法
リチウムナフタレニドを用いてPTFEの脱フッ素化(炭素化)を行った。脱フッ素化物を800℃で熱処理することで副生成物のLiFドメインを発達させた。その後、希塩酸によってLiFを除去することで脱フッ素化物をメソポーラス化した。これ以降、得られた試料をPCPTFEと呼ぶ。細孔構造は、窒素吸脱着測定によって行った。二重層容量は、1.0MのLiClO_4を含むプロピレンカーボネート中で定電流法により求めた。細孔側壁の炭素原子の配列状態は酸素吸着を用いた昇温脱離法(TPD)によって分析した。
3.結果と考察
二重層容測定の結果、PCPTFEは、ほぼ同じ比表面積を持つメソポーラスカーボンブラックに比べてカチオン吸着容量、アニオン吸着容量ともに大きいことが分かった。メソポーラスカーボンブラックは、PCPTFEと同様、細孔幅が大きいためイオン篩効果が現れない。このため、PCPTFEの高い容量は細孔径分布の影響だけでは説明できない。一方、TPDによる細孔側壁の分析によって、PCPTFEの細孔側壁は酸素吸着に対して活性が高く、酸素の吸着サイトの密度が他の多孔質炭素よりも高いことが分かった。
以上の結果により、PTFE系メソポーラスカーボンの高い二重層容量特性は細孔構造だけでなく細孔側壁の炭素の配列状態によるものであることが明らかになった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Soshi Shiraishi, et al.: "Electric double layer capacitance of highly pure single-walled carbon nanotubes(HiPcoBuckytubes) in propylene carbonate electrolytes"Electrochemistry Communications. 4. 593-598 (2002)

  • [文献書誌] 白石壮志: "炭素細孔体界面におけるイオン吸脱着と電気二重層キャパシタ"化学と工業. 56. 129-132 (2003)

  • [文献書誌] Soshi Shiraishi, et al.: "Double Layer Capacitance of Porous Carbons Derived From Defluorination of PTFE"Molecular Crystal and Liquid Crystal. 388. 129-135 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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