研究概要 |
[ルイス酸触媒を用いたニトリルオキシド付加環化の立体制御]ルイス酸を用いた3-アクリロイル-4-ベンジル-5,5-ジメチル-1,3-オキサゾリジン-2-オンと種々のニトリルオキシドとの反応におけるジアステレオ制御を,触媒反応へと展開した。付加環化のジアステレオ選択性を向上させるために添加しているルイス酸の量を1当量から触媒量へと減じると,ジアステレオ選択性は著しく低下する。ところが,ニトリルオキシドをslow additionすることによって,ルイス酸を1当量用いた場合に匹敵する選択性に向上できることを見出した。Huisgen法により系中でニトリルオキシドを発生させる場合には,塩基をslow additionすることによって,触媒量のルイス酸によるジアステレオ制御が可能である。(日本化学会第80秋季年会3BA-14;日本化学会中国四国支部・同九州支部合同大会1C07) [キラルなルイス酸を用いた不斉ニトリルオキシド付加環化]キラルなルイス酸を用いたニトリルオキシド付加環化の開発に初めて成功した。Yb(OTf)_3,MgBr_2,あるいはMg(ClO_4)_2とpybox配位子(ph-pybox, ip-pybox, bn-pybox)とから調製したキラルなルイス酸(1当量)共存下で,3-アクリロイル-1,3-オキサゾリジン-2-オンとベンゾニトリルオキシドとの反応を行うと,光学活性なイソオキサゾリン誘導体が得られることを見出した。P pybox配位子の有効性は,中心金属塩によって異なり,Yb(OTf)_3ではph-pyboxあるいはbn-pybox, MgBr_2はph-pybox, Mg(CIO_4)_2はip-pyboxが有効である。(日本化学会第81春季季年会3G146,3G147)
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