研究概要 |
環状分子及び移動(シャトル)分子としてα-シクロデキストリン、光駆動部位及び第1ステーションとしてアゾベンゼン基、第2ステーションとしてエチレンオキシド基、第3ステーションとしてプロピレン基、移動分子の障壁としてビオローゲン基そして末端ストッパーとしてジニトロフルオロベンゼン基を有するロタキサンを分子設計した。この分子は刺激を与えないと移動分子が第1ステーションであるアゾベンゼン基に停滞しているが、光刺激を加えるとアゾベンゼン基のトランス-シス異性化に伴い移動分子が第2ステーションであるエチレンオキシド基へと移動する。しかしながら立体障害などの理由により第3ステーションのプロピレン基には移動できない。熱刺激を加えることで初めて第3ステーションのプロピレン基まで移動可能となる。 これまでに4,4'-(2-bromoethoxy)azobenzene,4-pyridyl-1-(3-aminopropyl)pyridinium bromide,1,1"-[azobis(4,1-phenyleneoxy-2,1-ethanediyl)]bis[1'-(3-aminopropyl)-4,4'-bipyridinium]tetrabromideの合成に成功しており、現在ロタキサン分子の合成中である。単離、精製を行い、光および熱を駆動力とする分子シャトル能を吸収スペクトル、円偏光二色性スペクトル、NMRスペクトルを利用して検討する。
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