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2001 年度 実績報告書

蛍光性を有する共役高分子の合成とポリマー1分子の光機能イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 13750809
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東北大学

研究代表者

篠原 健一  東北大学, 大学院工学研究科・文部科学教官, 助手 (10292244)

キーワードポリマー / パイ共役 / 1分子 / ロタキサン / 水 / シクロデキストリン / 光 / ゆらぎ
研究概要

ポリマー1分子の構造と機能を直接観測することができれば、分子の構造と機能の関係を明確に議論でき、さらには、分子性物質の機能発現の最小単位である分子1個で動作する「単一分子デバイス」創製への礎となるものと期待される。本研究では、光機能性高分子に着目し、ポリマー1分子の発光機能の直接観測を行うため、近接場光学を応用した対物レンズ型全反射蛍光顕微鏡(TIRFM)を製作し、π共役ポリマー1分子の発光機能を水中および大気中でイメージングした。TIRFMはスライドガラス表面近傍の試料を選択的に励起することができ、これらの内のガラス表面に吸着した分子からの蛍光のみを輝点として観察することが可能である。今回、ポリマーのπ共役系主鎖にα-シクロデキストリンを包接させたπ共役ポリロタキサン[(+)-poly[(AEPE)-rotaxa-(α-CyD)]をTIRFMで観察した。このポリマーは、水に可溶で、かつ10の6乗オーダーの分子量を持つ高分子量体であり、その水溶液は、442nm励起で蛍光を発することを確認した。大気中でのTIRFM観察の結果、観測された輝点の蛍光強度は、時間の経過ともに低下している輝点のみが観察された。次いでこの大気中で観察していた試料表面に純水を滴下して観察を続けたところ、輝点の蛍光強度が時間経過とともに大きく変化している輝点が観測された。水中での観察のみでこのような現象が観測されたことから、このダイナミックな蛍光強度の変化は、熱ゆらぎを駆動力とした、ポリマー1分子のミクロブラウン運動によるπ共役系主鎖の構造変化に基づくものと考察した。この新しい概念に基づく「単一分子デバイス」の創出が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Shinohara, T.Aoki, T.Kaneko, E.Oikawa: "Syntheses and Erantioselective Recognition of Chiral Poly(phenyleneethynylene)s bearing Bulky Optical Active Methyl Groups"Polymer. 42. 351-355 (2001)

  • [文献書誌] K.Shimohara, S.Yasuda, G.Kato, M.Fujita, H.Shigekawa: "Direct Observation of the chiral Quaternary Structure in a π-Conjugated Polymer at Room at Temperature"J. Am. Chem. Soc.. 123. 3619-3620 (2001)

  • [文献書誌] K.Shinohara, S.Yamaguchi, T.Wazawa: "First Observation of Spectral Fluctuation in a Single Molecule of a Rigid-Rod π-Conjugated Polymer"Polymer. 42. 7915-7918 (2001)

  • [文献書誌] K.Shinohara, G.Kato, H.Minami, H.Higuchi: "Single Molecule of a π-Conjugated Polymer Slowly Twinkles in Solution at Room Temperature"Polymer. 42. 8483-8487 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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