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2001 年度 実績報告書

ビタミン関連化合物であるピコリン酸によるアポトーシス誘導作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13760063
研究種目

奨励研究(A)

研究機関三重大学

研究代表者

緒方 進  三重大学, 生物資源学部, 助手 (70324556)

キーワードビタミン / ナイアシン / NAD / アポトーシス / ピコリン酸 / HL-60
研究概要

ピコリン酸によるアポトーシス誘導につてい、さらに他のがん組織由来の細胞株を用いて検討を重ねた結果、特に肺がん由来の細胞株である、A549(腺がん),SBC-3(小細胞がん)においても、効果的にアポトーシス誘導作用が認められた。肺がんは、特に難治性であることが知られており、術後5年間の生存率が20%以下と極めて低いことからも、以上の知見は、ピコリン酸の有用性を提示するうえで誠に興味深い。
また、各種ピコリン酸構造類縁体を用いて、白血病細胞HL-60へのアポトーシス誘導作用を検討した結果、特にピコリン酸のN位に酸素が入ったピコリン酸N-オキシドにおいて、アポトーシス誘導作用が認められず、2-アミノピリジンやピコリンアルデヒド等のように、活性型残基を有する場合や、ピコリン酸の5位が、脂溶性の直鎖ブチル基で修飾されたフザリン酸において、より低濃度においてアポトーシス誘導作用が認められた。すなわち、様々な置換基による影響を受け、ピリジン環の共鳴構造が重要であることが示唆された。さらに、ピコリン酸によるアポトーシス誘導は、数mM以上という比較的高濃度において作用が認められた事実から、ピコリン酸の高い水溶性が、実用上問題となるのではないかと考え、ピコリン酸のカルボキシル基に、様々な鎖長の脂溶性残基をエステル結合により導入することにより、細胞膜への浸透性が高まり、より低濃度で効率的にアポトーシスを誘導することが期待される。そこで、様々な鎖長のアルキル基を導入したピコリン酸エステル化合物を有機合成し、比較検討したところ、鎖長が4以上のアルキル基を導入した場合に、アポトーシスが認められ、鎖長依存的にその割合は増加し、鎖長が12、16の場合、作用濃度が100μMまで低下した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 緒方 進ら(共著): "Apoptosis induced by picolinic acid-related compounds in HL-60 cells"Bioscience Biotechnology Biochemistry. 65. 2337-2339 (2001)

  • [文献書誌] 緒方 進ら(共著): "Radical scavenging activities of niacin-related compounds"Bioscience Biotechnology Biochemistry. 66(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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