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2002 年度 実績報告書

食品内での高分子の構造変化と物性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13760096
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

藤井 智幸  新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助教授 (40228953)

キーワードsol-gel transition / percolation / scaling law
研究概要

高分子ゲルでは、動的弾性率及び相関距離が、ゲル化点からの隔たりに対してスケーリング則: A∝ε^α(SU) A:物理量、ε:ゲル化点からの隔たり、α:臨界指数 で表されることが知られている。物性として弾性について、スケーリング則を構築した。
単位体積当たりの弾性の自由エネルギーFは、F∝ξ^<-d> kξ^2とスケールされる。ここで、Kは端点間高分子鎖における曲げバネ係数であり、 k∝ξ^<-D> M(ξ)^<-1>(SU) と仮定する。ここで、M(ξ)は端点間距離ξの高分子鎖の質量であり M(ξ)∝ξ^<1/ν>(SU) とスケールされる。指数Dは0から2の値を取り、D=0の時はスカラー弾性となり、D=2の時にはベクトル弾性となる。この時、臨界指数tは、 t=1+ν(d-2+D)(SU) と表すことができる。3次元空間(d=3)ではν=0.88であるから、臨界指数tは弾性機構に依存して1.88から3.64の値を取る。
試料として食品高分子を選び、動的弾性率を測定した。バレイショデンプンゲルについて、動的弾性率は濃度が高くなるにつれて小さくなり、ゲル化濃度(ゾルーゲル転移点)からの隔たりによって良好にスケールされた。臨界指数tは2.23であった。このように、スケーリングの関係に基づいて弾性率の濃度依存性のデータから、ゲルの弾性機構を推定する理論的解析方法を確立することができた。
アガロースゲルについて円二色性スペクトルを測定し、構造変化を楕円率で評価した。相関距離が楕円率によって良好にスケールされたことから、食品の物性を (弾性率)-(相関距離)-(構成高分子の構造変化) の階層としてとらえ、階層間の関係をスケーリング則で整理することが可能であることが示された。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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