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2002 年度 実績報告書

食品タンパク質の経口投与により誘導される不応答化T細胞の特性の分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 13760098
研究機関東京大学

研究代表者

伊勢 渉  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70323483)

キーワードT細胞 / 経口免疫寛容 / 遺伝子発現 / シグナル伝達 / lipid raft / subtraction
研究概要

1)不応答化T細胞に特異的に発現する遺伝子の探索
抗原の経口投与により誘導された不応答化T細胞とコントロールT細胞(抗原の非経口投与により誘導されたT細胞)間でsubtractive hybridization法を行うことにより、不応答化T細胞に特異的に発現する遺伝子クローニングした。Differential screeningを行うことにより、擬陽性クローンを排除した。候補クローンについては塩基配列の解析を行った。さらに定量的RT-PCR法を行うことにより、候補クローンの発現特異性について検討し、候補の絞り込みを行った。現在、候補クローンについて全長cDNAのクローニングを行っているところである。
2)不応答化T細胞の抗原認識とシグナル伝達
不応答化T細胞を抗原/抗原提示細胞で刺激し、raftにおけるシグナル伝達について検討した。すなわちT細胞を非イオン性界面活性剤であるBrij98で可溶化した後、ショ糖密度勾配遠心法によりraft画分を分離した。raft画分に含まれるシグナル伝達分子についてはwestern blotting法により解析した。その結果、コントロールT細胞においては抗原刺激依存的にraftに局在するT細胞レセプター(TCR)、ZAP70、LATなどのシグナル伝達分子の量が増加するのに対し、不応答化T細胞ではこれらシグナル伝達分子の量の増加は認められなかった。さらに共焦点レーザー顕微鏡を用いてTCR、raftマーカーGM1の細胞膜上の局在を調べたところ、コントロールT細胞とは異なり、不応答化T細胞ではTCRやGM1が抗原提示細胞との接触面に局在しているものが少なかった。以上より、不応答化T細胞はraftの局在、raftにおけるシグナル伝達制御に障害があることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] W.Ise, et al.: "Naive CD4^+ T cells exhibit distinct expression patterns of cytokines and cell surface Molecules on their primary responses to varying doses of antigen"J. Immunol.. 168. 3242-3250 (2002)

  • [文献書誌] T.Yoshida, et al.: "Antigen presentation by peyer's patch cells can induce both Th1-and Th2-type responses depending on antigen dosage, but a different cytokine response pattern from that of spleen cells"Biosci. Biotechnol. Biochem.. 66. 963-969 (2002)

  • [文献書誌] T.Yoshida, et al.: "Interleukin 12 and CD86 regulate Th1 and Th2 development induced by a range of antigen doses presented by Peyer's patch and spleen cells"Cytotechnology. (In press).

  • [文献書誌] M.Hibi, et al.: "Dendritic cells from spleen, mesentric lymph node and Peyer's patch can induce both production of IL-4 and IFN-γ of naive CD4+ T cells in their primary culture, depending on antigen doses"Cytotechnology. (In press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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