研究概要 |
本研究は、1.年齢査定方法を確立と年級豊度の評価、2.レプトセファルス仔魚の輸送過程と変態・着底過程を調べ、さらにこれらと海況との関連を解析することによって、東北海域へのマアナゴの加入機構を明らかにするものである。本年度は,マアナゴの年齢査定法の確立,および仙台湾の漁獲物の年齢組成および年齢と体長の関係を明らかにした。 マアナゴの年齢査定法の確立 マアナゴの耳石(扁平石)に、ホットプレートを用いて約200度、7〜8分の熱(Burning)処理を施した。その耳石をポリエチレン樹脂に包埋した後、硬組織切断機を用いて中心核を通る切片を作成した。輪紋の観察は、蛍光顕微鏡(BVフィルター)を用いてを行った。マアナゴの耳右は、熱処理を施し・更に蛍光観察を行うことによって、輪紋(蛍光帯)が明確に観察さるようになった。その輪紋は主に6月〜8月に形成されており、年齢形質であることが確認された。 仙台湾の漁獲物の年齢組成および年齢と体長 1998年6月〜2000年1月に仙台湾福島沖においてカゴ網によって漁獲されたマアナゴは,全長315mm〜925mmであった。これらのマアナゴについて,今回新たに開発した耳石を用いた年齢査定法により各個体の年齢を調べたところ,0+〜6+であると査定された(孵化日を12月1日と仮定)。平均体長は、1+が41mm,2+が49mm,3+が59mm,4+が68mmであった.漁獲物は0+、6+が極少数で、主に1+〜5+の個体で構成されていることが明らかとなった。年齢組成は1+が18.0%、2+が32.5%,3-31.0%,4+が14.5%,5+が3.5%であった。
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