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2001 年度 実績報告書

アユ雌の最終成熟および排卵を支配する雄フェロモンの作用解析

研究課題

研究課題/領域番号 13760144
研究種目

奨励研究(A)

研究機関長崎大学

研究代表者

長江 真樹  長崎大学, 環境科学部, 助教授 (00315227)

キーワードGTH / フェロモン / アユ / FSH / LH
研究概要

本研究の目標は、アユ雌の最終成熟および排卵を誘導する雄フェロモンの作用機構を明らかにすることにある。そのために、雄のフェロモン刺激を雌の生体内で伝達すると考えられる内分泌因子(sGnRH, GTHおよびDHP)の動態を、その遺伝子発現あるいはタンパクの合成・分泌レベルで解析する。本年度は下記の結果を得た。
アユ卵母細胞の最終成熟を誘起するDHPの血中濃度は、産卵に好適な環境で雄からのフェロモンを受容した後に急増し、それとほぼ同時に排卵が誘発された。加えて、最終成熟期の卵母細胞を用いた生体外培養実験においても、このDHPの効果は確認された。このことから、雌体内で新たに産生されるDHPが、雄フェロモンによって誘導される直接的な作用因子であることが明らかとなった。
次に同様の個体の脳下垂体におけるGTH(FSHおよびLH)遺伝子の発現変化をノーザンブロツト法により解析した。その結果、FSHβmRNA量は、雄フェロモンの刺激を受ける以前の卵黄形成後期から徐々に減少しており、その傾向は雄のフェロモン刺激によって変化しなかった。このことから、FSHβの発現は、フェロモン刺激とは無関係であることが示唆された。一方、LHβmRNA量は卵黄形成後期以降、常に高値を維持しており、雄のフェロモン受容によっても顕著な変動を示さなかった。このことは、DHPの新規合成を誘導すると予想されるLHの脳下垂体での合成が、少なくとも遺伝子の転写レベルでは起こっていない可能性を示している。このことから、雄フェロモンによる刺激は、雌の脳下垂体で既に合成されているLHを分泌させる形で伝達されるものと推察される。そこで来年度は、当初の予定通り、LHの分泌に関する解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Daisaku Yoshida: "Molecular cloning of cDNAs encoding pituitary glycoprotein hormone α, FSH β and LH β subunits in Ayu, Plecoglossus altivelis"Zoological Science. 18巻・7号. 929-936 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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