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2001 年度 実績報告書

底質中の有機炭素・硫化物・重金属濃度と底生生物の分布からみた湖山池の環境評価

研究課題

研究課題/領域番号 13760171
研究種目

奨励研究(A)

研究機関鳥取大学

研究代表者

原田 昌佳  鳥取大学, 農学部, 助手 (80325000)

キーワード湖沼 / 水質 / 底質環境 / 重金属 / 硫化物濃度 / 有機汚濁 / 貧酸素水
研究概要

本年度では,一年を通じて底層水の溶存酸素が最も低く,貧酸素水隗の発生が一部で見られ,底質が強い還元的状態にある夏季に底質調査を行った.池全域を約300mメッシュに区切った計54点の格子点付近で最表層部の底泥を採取し,底質中の硫化物濃度,重金属濃度(Fe, Mn, Pb, CuおよびZn),全有機炭素量,底泥の粒度組成などを測定した.硫化物および重金属の濃度分布から見た夏季における湖山池の底質環境について検討した.以下に,平成13年度に得られた研究成果をまとめる.
1.底質中の硫化物濃度について
(1)湖山池最深部を含む北部一帯と流入河川の流入部付近で高濃度を示すが,ヤマトシジミの生息に耐えうる硫化物濃度の上限値を大きく下回っていた.夏季の湖山池では,水門の操作により日本海からの海水の流入量は少なく,湖水中の硫酸イオン濃度は1ppm以下と極めて小さかった.そのため,底質は強い還元状態であるにも関わらず,硫化物濃度は平均的に低いと推察できる.
(2)重回帰分析の結果,底質中の硫化物濃度は底質の酸化還元電位,全有機炭素量,全窒素量およびシルト分によって規定される.
2.底質中の重金属濃度について
(1)Fe, Mn, Pb, CuおよびZnは類似した濃度分布を示し,湖山池最深部の北西部から中央部にかけての帯で高濃度であり,北東部および南西部の沿岸付近で低濃度であった.
(2)全調査項目を用いた主成分分析により,底質の汚濁の程度を示す指標と還元状態の強弱を表す指標の二つの主成分が抽出された.さらに,クラスター分析を行った結果,湖山池の底質環境は,1)重金属や有機物は多いが還元状態は比較的弱い地点,2)底泥の汚濁が著しく今後も更なる悪化が懸念される地点,3)底泥の汚濁は比較的小さいが今後悪化の可能性のある地点,4)重金属量や有機物量は極めて少なく底質環境は良好である地点,の4つのクラスターに分類ができた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 原田昌佳: "湖山池における底質中の硫化物と重金属の分布特性"農村計画論文集. 3. 61-66 (2001)

  • [文献書誌] Masayoshi Harada: "On the bottom sediment environment in Lake Koyama"Proceedings of The 13^<th> Congress of the APD of IAHR. (in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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