本研究は最小の家禽であるニホンウズラ(Conturnix japonica)の連鎖地図を構築することを目的としている。AFLP法は、バンドがスメアにならず、かつ最も良く多型が検出できる制限酵素を選択することが重要となるため、日本ウズラに対して最も効率のいい条件をいくつかの制限酵素に対して検討した。現在のところ制限酵素はニワトリ同様、EcoRIおよびMseIの組み合わせで良好な多型バンドが得られることを確認した。制限酵素についてはその他有用なものがあるか検討を続ける。 本研究に供する連鎖地図作成のためのニホンウズラ標準家系は、(財)日生研で維持されているLWC系とQuv系のF1世代を作成し、このF1世代にQuv系を戻し交雑して構築する標準家系を用いる。この家系は平成12年度内に構築が完了する予定であったが、十分な数の戻し交雑個体が得られなかったため、平成13年度にも再構築を行っている。本年度は分析に十分な数の家系が得られている。 このような背景から平成13年度は、機能遺伝子マーカーの開発に重点をおいた。日本ウズラの心臓cDNAライブラリーを構築し、(GT)nマイクロサテライトプローブを用いてスクリーニングを行った。合計37のポジティブクローンが得られ塩基配列の決定を行ったところ、13の遺伝子が確認された。これらクローンはGTマイクロサテライトを含んでいるので、連鎖地図の機能遺伝子ランドマークとして非常に有用なマーカーとなる。 平成14年度は機能遺伝子マーカーの開発を続けると共に、構築した家系に対してAFLP解析を重点に行い、数百程度の遺伝的マーカーからなる連鎖地図を構築する予定である。
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