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2001 年度 実績報告書

反芻動物における上皮増殖因子の分泌と胃内動態の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13760211
研究種目

奨励研究(A)

研究機関酪農学園大学

研究代表者

翁長 武紀  酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (90224261)

キーワード上皮増殖因子 / EGF / ヒツジ / 反芻動物 / 唾液腺 / 分泌動態
研究概要

ヒツジの唾液腺から上皮増殖因子(EGF)を抽出するに当たり、ヒツジの耳下腺および下顎腺の組織を調べたところ、耳下腺が漿液腺であるのに対し、下顎腺は殆どが粘液腺であり、さらに抗ヒトEGF抗体を用いたドットブロットアッセイでそれぞれのミクロソーム分画に含まれるEGFを検出したところ、単位蛋白量あたりのEGF含量は耳下腺で多く、下顎腺で少ないことが明らかとなった。そこでヒツジのEGFは耳下腺から抽出することとし、そのホモジネートを超遠心にかけ、その上清を得てゲル濾過を行った。次に、ヒツジのEGF活性を測定するために放射性ヨウ素標識マウスEGFを拮抗物質として用い、ウシ肝細胞のミクロソーム分画に対する結合量から未知のEGF量を測定するラジオレセプターアッセイを確立し、本法により耳下腺抽出液およびゲル濾過の各分画のEGF活性を測定した。
その結果、1)ヒツジ耳下腺における単位蛋白量当たりのEGF含量は他の齧歯類やヒトにおいて報告されているよりも非常に少ないこと、また2)ゲル濾過において通常のEGFの分子量である6kDa分画にEGF活性は検出されず、ゲルの排除限界に近い30-50kDa付近に検出されることが明らかとなった。したがって、ヒツジの耳下腺においては一般に体液中に分泌される低分子型のEGFが殆ど存在せず、他の動物種では生合成段階の前駆物質と考えられている高分子型のEGFが少量存在するだけであると考えられた。また、この高分子型のEGFは受容体に対する結合能を有していたことから単なる前駆物質ではなく、低分子型と同様な生物活性を有することも示唆された。
以上より、単胃動物と比べて比較的大量の唾液を分泌する反芻家畜においては唾液腺からのEGFの分泌動態が異なることが示唆され、この点を今後詳細に明らかにし、さらにヒツジにおけるEGFの胃内動態を明らかにする予定である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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