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2001 年度 実績報告書

中枢神経系の神経回路形成におけるセマフォリン3Aの分子機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 13770003
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

谷口 雅彦  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70260346)

キーワードコラプシン / 軸索ガイダンス / 反発因子 / ノックアウトマウス / 嗅覚 / 匂い地図
研究概要

嗅覚系において嗅細胞は約1000種類ある嗅覚受容体の内の1種類だけを発現しており、匂い分子はこの嗅覚受容体に結合する。同じ嗅覚受容体を発現している嗅細胞から伸びる嗅神経は嗅球に存在する約1800個の糸球体の内わずか数個の糸球体に正確に投射する。嗅球内の糸球体の空間配置は嗅球における嗅覚系感覚地図、いわゆる「匂い地図」を形成する。しかし、正確な匂い地図形成の分子メカニズムは現在ほとんど分かっていない。セマフォリンは神経軸索ガイダンスに重要な反発因子である。以前にセマフォリン3A(Sema3A)ノックアウトマウスを作製して、胎仔期の末梢神経系の神経回路形成においてSema3Aが重要であることを明らかにした。本研究では、抗OCAM抗体と抗ニューロピリン-1(Sema3Aレセプター)抗体を匂い地図作製における分子マーカーとして使用し、成体Sema3Aノックアウトマウスの嗅球における匂い地図形成を解析した。コントロールマウスではニューロピリン-1を発現している嗅神経は、嗅球の内側(medial)と外側(lateral)にある糸球体に投射していた。Sema3Aノックアウトマウスにおいては、ニューロピリン-1抗体による匂い地図はコントロールマウスで見られたパターンが全く見られずかなり変化していた。また興味深いことに、OCAM抗体による匂い地図では特定の変化が見られた。さらにノックアウトマウスの機能解析において、匂いに対する反応を見るためにoptical imaging法を行って嗅球背側の神経活動を解析した結果、匂いに対するパターン形成の異常を明らかにした。これらのことより、Sema3Aは嗅球において正確な匂い地図を形成するために必須であることを解明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Sugimoto, et al.: "Guidance of glial precursor cell migration by secreted cues in the developing optic nerve"Development. 128. 3321-3330 (2001)

  • [文献書誌] S.Loes, et al.: "Exprssion of class 3 semaphorins and neuropilin receptors in the developing mouse tooth"Mech. Dev.. 101. 185-188 (2001)

  • [文献書誌] 谷口雅彦: "神経回路形成とセマファリン・ニューロピリン"バイオサイエンスの新世紀 第11巻 脳の発生・分化・可塑性. (印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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