1.Caチャネルのカルパスタチン作用部位の解明について Caチャネルの細胞質側のC末端を3つのペプチドに分け、融合蛋白質として作った。これらのペプチドがカルパスタチンのCaチャネル活性化作用に影響を与えるかどうかを調べた。その結果、カルパスタチンがCaチャネルのC末端の近位部(N末端側)に作用することが示唆された。詳しい結果は検討中である。 2.カルパスタチンのCaチャネル活性化作用の機序について 作用機序に関する研究は来年する予定であったが、実験中にcalmodulinがカルパスタチンと類似の効果があるという予想もしなかった結果を見出し、カルパスタチンとcalmodulinとの関係など、カルパスタチンの作用機序を緊急に調べる必要が生じたので、今年度実施した。その結果、(1)カルパスタチンの効果発現にはATPの存在が必要であり、チャネルまたはチャネルに作用する何らかの因子のリン酸化に関与していると考えられた。(2)カルパスタチンの効果はCaMKII(calmodulin-dependent protein kinase II)の阻害剤によって抑えられるので、カルパスタチンの作用はCaMKIIによるリン酸化を介することが示唆された
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