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2001 年度 実績報告書

脳特異タンパク質で新規に見出されたミリスチル化によるタンパク質間相互作用の制御

研究課題

研究課題/領域番号 13770064
研究種目

奨励研究(A)

研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

林 宣宏  藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (80267955)

キーワードミリスチル化 / カルモジュリン / 細胞内シグナル伝達系 / 脳の機能発現の分子機構 / タンパク質間相互作用 / 標的分子認識機構 / 分子生物学 / バイオインフォマティックス
研究概要

思考や記憶などの脳の高次機能に関与していることが示唆されている脳特異タンパク質NAP22とカルモジュリンとの間に新たに見い出した、翻訳後修飾の一つであるミリスチル化に依存するタンパク質間相互作用の分子機構の解析を進めている。既に、1)NAP22-カルモジュリン間相互作用がミリスチル基依存的であること、2)その相互作用がプロテインキナーゼCによるリン酸化により抑制されること、3)これまではカルモジュリンとの相互作用に必須だと考えられていたαヘリックスをNAP22は形成していないこと、等を明らかにし、NAP22の同一部位でカルモジュリンの関与するシグナル伝達系とプロテインキナーゼCの関与するシグナル伝達系がクロストークしていることを示している。カルモジュンがNAP22のカルモジュリン結合部位に相当するミリスチル化ペプチドと複合体を形成する際の構造変化を溶液X線小角散乱法とNMRにより解析した結果、4)モル比がNAP22:カルモジュリン=2:1の複合体を形成すること、5)複合体の慣性半径が既知のカルモジュリン-標的タンパク質複合体のそれよりも大きいこと、等、が明らかになった。カルモジュリンが認識する分子は全て特定の空間配置内での両親媒性を有しており、この共通の性質によってカルモジュリンに認識されると考えているが、NAP22以外にもがん遺伝子産物やHIV遺伝子産物など、ミリスチル化領域近傍に両親媒性を示すための塩基性アミノ酸残基と、さらには同時にプロテインキナーゼCによるリン酸化部位を持つものも多数存在する。実際にHIV nef遺伝子産物がカルモジュリンとミリスチル化依存的に相互作用する事を実験的に確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hayashi N., Ito, Y., Shibata, T., Izumi, Y., Matsushima, N., Titani, K.: "NMR and small angle X-ray scattering investigations of the myristoylation directed protein ミ protein interaction between neuron-specific protein CAP-43/NAP-22 and calmodulin"Protein Science. 10. 195 (2001)

  • [文献書誌] Hayashi, N., Ito.Y., Jinbo, Y., Shibata, T., Izumi, Y., Matsushima, N., Titani K.: "Novel myristoylation-directed protein-protein interaction between calmodulin and neuron-specific protein CAP-23/NAP-22"Proceedings of the 4th international conference on molecular structural biology. 89. 89 (2001)

  • [文献書誌] Hayashi, N., Matsubara, M., Jinbo, Y., Titani, K., Izumi, Y., Matsushima, N.: "Nef of human immunodeficiency virus type 1 (HIV-1) interacts directly with calcium-bound calmodulin"Protein Science. 11. 529-537 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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