研究概要 |
本研究は、補体レクチン経路の活性化機構と生体内での役割を明らかにするため、MASP-1欠損マウスを作製した。ジーンターゲッティング法により、マウスMASP-1/-3遺伝子の第2エクソンを欠落した遺伝子改変マウス(Masp-1(+/-)と略)を作製し、更にMasp-1(+/-)同士の交配により両染色体に遺伝子変異を持つホモ型MASP-1欠損マウス(以下、Masp-1(-/-))を得た。Masp-1(-/-)は、検索の結果、MASP-1とMASP-3をどちらも欠損していた。まず、C4,C2を活性化するMASP-2の活性化におけるMASP-1の役割を検討した。この結果、MASP-2はそれ自体で活性化を起こすが、Masp-1(-/-)では、ワイルド(Masp-1(+/+))に比較してその活性化の効率は低下していた。一方、MASP-1の存在下では、ワイルド(Masp-1(+/+))のMASP-2と同じ程度MASP-2の活性化が起こり、C4を消費することが判明した(投稿準備中)。これらの結果は、いまだにそれぞれの機能が明らかでないMASPの機能解明とレクチン経路の活性化機構の解明に役立つものと考えられる。
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