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2001 年度 実績報告書

p53遺伝子・機能異常及びその関連分子解析による潰瘍性大腸炎発癌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13770094
研究種目

奨励研究(A)

研究機関北里大学

研究代表者

吉田 功  北里大学, 医学部, 助手 (90316943)

キーワード潰瘍性大腸炎 / 異形成 / p53 / p53R2
研究概要

我々は潰瘍性大腸炎(UC)における発癌機構におけるP53の関与の解析をcryptレベルで行ってきた。平成13年度は(1)UC長期罹患患者の非腫瘍活動性炎症巣におけるp53遺伝子変異解析、(2)p53遺伝変異と蛋白過剰発現の不一致についての解析、(3)UC炎症巣におけるDNA修復機構へのp53-p53R2系の関与の解析を行った。
(1)現在までにUC20症例の非腫瘍・活動性炎症巣におけるp53遺伝子変異をcryptレベルで行ったが、明らかな遺伝子変異は見いだされていない。
(2)p53遺伝子変異の有無と細胞周期関連分子、細胞死関連分子等の関連について遺伝子変異を解析した同一cryptにて、免疫組織化学的に解析したところ、P16^<INK4A>及びBaxの発現が再生粘膜-軽度異形成-高度異形成-浸潤癌と進行するに従って、或いはp53過剰発現の増加と正相関して高くなることが明らかになった。この変化は変異型に比べ正常型の場合に有為に高いことが明らかになった。
3)p53遺伝子変異とp53、p53R2の免疫組織化学的発現量の相関を孤発性大腸癌で解析することにより、免疫組織化学的解析によってP53遺伝子変異をより正確に推定することを可能にした。この方法を用いてUC炎症巣におけるp53遺伝子変異を判定すると(1)で解析した病巣は正常p53であることが予想できた。さらにp53及びp53R2の蛍光二重染色により、UC炎症巣における遺伝子修復にはP53-P53R2が関与していることが示唆された。
[現時点での考察]
p53遺伝子変異はearly eventとされているものの、我々が明らかにした軽度異形成における変異よりはるかに頻度が低いと予想される。p53変異を伴わない異形成-癌においては新たな発癌経路の可能性が示唆された。UC炎症巣におけるDNA修復にはp53-p53R2系が関与していることが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yamashita, K., YOshida, T., Shinoda, H., Okayasu, I.: "Novel Method for Simultaneous Analysis of p53 and K-ras Mutations and p53 Protein Expression in Single Histological Sections"Archives Pathology and Laboratory Medicine. 125. 347-352 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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