研究概要 |
アポトーシス促進Bc1-2ファミリーBidは通常細胞質中に存在するが、デスレセプターを介する細胞死シグナルが入るとカスパーゼ8によってAsp59-Gly60間で切断され、C末端側フラグメントがミトコンドリアに移行し、シトクロームc放出を誘起する。このミトコンドリアヘの移行、局在に何らかの細胞因子が関与する可能性に着目し、Bid結合蛋白をycest two-hybridスクリーニングによって探索した。(1)human T lymphoma, Fe-tal Liver, Brain cDNA LibraryよりBidと結合しうる因子をコードするcDNA断片を12種類得た。これらについてiv vivoでの結合をCos-7細胞での共発現、免疫沈降で検証した。2種類のクローン(クローン2, 98)がBidとの結合を再現できた。クローン2は機能が未同定なhypothetical protein mRNA、クローン98はneurochondrin-1であった。(2)Bidで誘導されるアポトーシスに対するこれらクローンの作用を調べた。Cos細胞にBid発現ベクター、各クローンの発現ベクター、GFP発現ベクターをco-transfestionした。22時間後に細胞を固定、Hoechst染色し、蛍光顕微鏡下、GFP発現細胞中に占めるアポトーシス様核形態変化を示す細胞の割合を算出した。Bid単独発現では38%の細胞にアポトーシスの誘導が観察された。これに対しクローン2を共発現させると12%、クローン98では25%にそれそれアポトーシス細胞の割合が低下していた。Bidで誘導されるアポトーシスシグナル経路にこれらクローンが関与している可能性が示唆された。
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