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2002 年度 実績報告書

突然変異マウスを用いたmi転写因子のマスト細胞における転写調節機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13770107
研究機関大阪大学

研究代表者

森井 英一  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283772)

キーワードマスト細胞 / MITF / SCF / KIT / 突然変異マウス / 分化
研究概要

mi遺伝子座がコードする転写因子MITFはマスト細胞分化に重要であることを我々はこれまで報告した。MITFに異常をきたしたmi/miマウスでは皮膚マスト細胞の数が3分の1に減少する。この原因としてマスト細胞の最も重要な増殖因子であるstem cell factor(SCF)のレセプターであるKITの発現がmi/miマウスの皮膚マスト細胞で低下することがあげられる。これまで用いたmi/miマウスは、C57BL/6系統であった(B6-mi/mi)が、今回、我々は戻し交配を行い、WBを遺伝学的背景とするmi/miマウスを作成した(WB-mi/mi)。このWB-mi/miマウスではB6-mi/miマウスと異なり、皮膚マスト細胞数の減少がみられなかった。しかし、B6-mi/miマウス由来マスト細胞と同様、WB-mi/miマウス由来マスト細胞でもKITの発現が低下していた。このことは、KITの発現低下にも関わらず、皮膚マスト細胞の数を維持する何らかの因子がWB-mi/miマウスでは存在することを示す。そこでマッピングを行ったところ、ゲノム上のSCFをコードする領域近傍にこの因子が存在することがわかった。SCF蛋白の配列をB6系統とWB系統のマウスで比較したが有意な差はなかった。SCFには膜結合型と可溶型の2種類の蛋白があるが、後者の方が皮膚マスト細胞数に重要であることが報告されている。SCFmRNAにはalternative spliceによりlong form(SCF-L)とshort form (SCF-S)の2種類がある。可溶型SCFはSCF-LmRNAからの方が産生されやすい。そこで、B6系統とWB系統のマウスの皮膚におけるSCF-LとSCF-Sの量比を検討したところ、WB系統でSCF-L/SCF-S比が有意に高かった。以上のことより、WB系統のマウスではマスト細胞の数を増加させるSCFの量がB6系統のマウスよりも多く、そのためにKITの発現量の低下にもかかわらずマスト細胞の減少が認められなかったことが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Morii E et al.: "Additive effect of mouse genetic background and mutation of MITF gene on decrease of skin mast cells"Blood. (in press).

  • [文献書誌] Ito A et al.: "SgIGSF : a new mest-cell adhesion molecule used for attachment to fibroblests and regulated by MITF"Blood. (in press).

  • [文献書誌] Kitamura Y et al.: "Effect of MITF on mast cell differentiation"Mol.Immunol. 38. 1173 (2002)

  • [文献書誌] Kataoka TR et al.: "Dual abnormal effects of mutant MITF encoded by Mi^<wh> allele on mouse mast cells"Biochem Biophys Res Comm. 297. 111-115 (2002)

  • [文献書誌] Nishida K et al.: "Requirement of Gab2 for mast cell development and kitL/c-kit signaling"Blood. 99. 1866-1869 (2002)

  • [文献書誌] Oboki K et al.: "Isoforms of mi transcription fecter preferentially expressed in cultured mast cells of mice"Biochem.Biophys.Res.Comm. 290. 1250-1254 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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