研究概要 |
ネズミマラリア原虫Plasmodium berghei ANKA株の赤内型原虫より、オリゴキャッピング法を用いて真核細胞用発現プロモーターCEを有する完全長cDNAライブラリを作製した。このライブラリに含まれるcDNAクローンの5'端の塩基配列を読み、それを基にクラスタリングをおこなって、ライブラリを重複の無い25クローンずつのサブセットに分離した。このサブセットA〜Eの5群および対照群としてCEプロモーターを有する空ベクターpCE-FL2を、Helios Gene Gun Systemを用いてBALB/cマウスの皮下に1週間毎に3回免疫し、最終免疫の1週間後にP.bergheiを腹腔内注射で感染させた。原虫感染後の生存期間と原虫感染率を指標に対照群と比較して効果を検討したところ、A群において有意に生存の延長が認められた(n=8,p=0.038)。他の4群は対照群と比較して有意な差は認められなかった。また、原虫感染率はどの群も対照群との差は認められなかった。このA群の25クローン中には、ロプトリープロテイン、アルドラーゼ等、ワクチン候補として興味深いタンパク質をコードする遺伝子のホモログが含まれていた。現在A群について追試中である。
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