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2001 年度 実績報告書

細菌感染ストレスに対するホメオスターシス

研究課題

研究課題/領域番号 13770131
研究種目

奨励研究(A)

研究機関弘前大学

研究代表者

三浦 富智  弘前大学, 医学部, 講師 (20261456)

キーワード交感神経 / リステリア / サイトカイン / 6-ヒドロキシドーパミン / 細菌感染防御
研究概要

ホメオスターシスの調節において、神経系と免疫系は重要な役割を担っている。近年、免疫担当細胞が神経ペプチドや神経伝達物質のレセプターを発現していることや、これらのリガンドが免疫応答に重要な役割を担うことが報告されているが、細菌感染防御における神経系の関与はまだ明らかではない。そこで、本研究では、交感神経終末遮断作用を持つ6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)を用い、リステリア感染に対する宿主抵抗性における交感神経系の関与を検討した。
交感神経終末遮断作用を示す6-OHDA投与マウスでは、血漿中および脾臓中のNEが有意に低下した。LM感染後の生残率を比較すると、6-OHDA投与マウスではLD50において約20倍の増加が認められた。感染6時間および2日後の臓器中の菌数に有意な差は認められなかったが、感染5日後では6-OHDA投与マウスで対照群に比べLMの生菌数が有意に低下していた。さらに、6-OHDA特異的阻害剤であるdesipramine投与により、6-OHDA投与による感染抵抗性の増強は抑制された。6-OHDA投与マウスでのPECおよび脾マクロファージの貪食・殺菌能およびNO^<2->産生能は対照群と差は認められず、交感神経遮断は特異免疫の誘導に影響することが示唆される。
交感神経遮断マウスの脾細胞培養や免疫樹状細胞培養では、HK-LM刺激によりTNF-α産生が増加した。さらに、脾細胞培養では、抗CD3 mAb刺激によりIFN-γの産生が増加した。樹状細胞培養では交感神経遮断によりIL-12が増加していた。また、IFN-γ^-/^-マウスでは、交感神経終末遮断による感染防御能の増強は認められなかった。
以上より、交感神経の遮断により、LM感染防御に重要なTNF-α、IL-12およびIFN-γの産生が亢進され、LM特異的活性化T細胞の誘導が促進されると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Miura T, Kudo T, Matsuki A, et al.: "Effect of 6-hydroxydopamine on host resistance against Listeria monocytogenes infection"Infection and Immunity. 69(12). 7234-7241 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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