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2001 年度 実績報告書

病原性大腸菌O157感染症治療薬の投与設計に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13770133
研究種目

奨励研究(A)

研究機関名古屋大学

研究代表者

北市 清幸  名古屋大学, 医学部, 助手 (40301220)

キーワード病原性大腸菌 / O157 / トランスポーター / P糖蛋白質 / 血液脳関門 / 薬物腎排泄
研究概要

平成13年度の研究実績を以下に示す。
1.病原性大腸菌O157の毒素であるShiga-like toxin II(SLT-II)は薬物の中枢移行性を変化させること、また、それには薬物輸送担体の機能低下が関与していることを明らかにした。すなわち、SLT-IIの投与は薬物輸送担体P-gpの脳での発現を低下させると共に、P-gp基質の中枢移行性を増大させることが明らかになった。
2.SLT-IIはキノロン系抗菌薬の腎尿細管分泌能を低下させることが明らかになった。すなわち、腎臓ではSLT-IIの投与により、キノロン系抗菌薬の尿中への排出に関与する薬物輸送担体P-gpおよびMrp2の発現が低下し、キノロン系抗菌薬の尿中排泄能が低下することが明らかになった。
3.SLT-IIの投与は薬物の肝代謝能を低下させることが明らかになった。また、SLT-IIによる肝代謝能の変化にはShiga-like toxin IIによる肝細胞壊死が関与していることが明らかになった。現在、この変化に関してはさらに詳細な解析を行っている。
4.SLT-IIで変化する薬物の胆汁排泄能を評価するために有用な実験方法を確立した。すなわち、細菌内毒素リポポリサッカライドを投与して作成した感染症病態動物モデルにおいて、薬物の胆汁排泄能の変化が評価できることを確認した。
5.SLT-IIで変化する薬物の中枢移行能、組織移行性をさらに詳細に評価するために有用な実験方法を確立した。すなわち、薬物の脳組織間隙内濃度をマイクロダイアリシス法によって測定することにより、病態時の薬物の中枢移行能を評価できることを覚醒剤依存症動物モデルで確認した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Zhao Y. L.: "Shiga-like Toxin II derived from E, coli O157 : H7 modifies renal handling of levofloxacin in rats"Antimicrob Agents Chemother. (in press).

  • [文献書誌] Zhao Y. L.: "Possible involvement of P-glycoprotein on the renal excretion of levofloxacin"Clin Exp Pharmacol Pharmaceu. (in press).

  • [文献書誌] Ando H.: "Effect of endotoxin on P-glycoprotein-mediated biliary and renal excretion of rhodamine-123 in rats"Antimicrob Agents Chemother. 45. 3462-3467 (2001)

  • [文献書誌] Nadai H.: "Endotoxin impairs bilialy transport of sparofloxacin and its glucuronide in rats"Eur J Pharmacol. 432. 99-105 (2001)

  • [文献書誌] 北市清幸: "逆耐性動物モデルにおけるメタンフェタミンの生体内挙動変化[総説]"日本神経精神薬理学会誌. 21. 133-144 (2001)

  • [文献書誌] Yoshida M.: "Adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 peptide induce histamine release from rat peritoneal mast cell"Regul Peptides. 101. 163-168 (2001)

  • [文献書誌] 北市清幸: "K. pneumoniae 由来エンドトキシンによる肝薬物代謝酵素活性低下および一酸化窒素過剰産生に対するサイトカインの関与 『エンドトキシン研究4』"医学図書出版株式会社. 125-130 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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