(1)酵母ツー・ハイブリット法を用いてhuman herpesvirus 8(HHV-8)のlatency-associated nuclear antigen (LANA)と結合すると同定された9種類の宿主因子のうち、myeloid cell nuclear differentiation antigen (MNDA)が強制発現させた哺乳類細胞の細胞抽出液を使った免疫沈降においても、LANAと結合することを証明した。 MNDA機能はあまり判っていないが、インターフェロンαによってその発現が誘導されることが知られている。この為、細胞増殖抑制やアポトーシスなどインターフェロンαによる効果を担っている可能性を秘めている。 (2)LANAとMNDAの局在を蛍光顕微鏡を用いて観察した。その結果、MNDAを強制発現させると、細胞形態がいびつになった。この原因としてはアポトーシスを含めてMNDAが細胞に何らかの影響を及ぼしていると考えてられる為、局在についての実験は一時保留にした。 (3)LANAタンパクに対するモノクローナル抗体は現在作製中である。 (4)HHV-8ゲノム複製モデルを新規開発した(投稿準備中)。このモデル系により、HHV-8ゲノム複製維持にはLANAが必須であることが判明した。さらにLANAタンパクのうちN末端側のクロマチン結合領域と呼ばれている部分が重要あることも判った。
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