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2001 年度 実績報告書

急性・慢性砒素中毒におけるDNA損傷に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13770175
研究種目

奨励研究(A)

研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

網中 雅仁  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (30231997)

キーワード慢性砒素中毒 / 急性砒素中毒 / 砒素曝露 / DNA損傷 / 生体影響 / 8OHdG / 臓器局在性
研究概要

平成13年
●砒素暴露とDNA損傷に関する実験動物モデルでの検証
DNA損傷物質である8-OHdGに関する基礎的研究(局在性・性差・加齢)は未だ十分に解明されていないことから、実験動物を用いて臓器局在性を検討した。また、3価と5価の砒素暴露の生体毒性について臓器中8-OHdGとの関連性についても検討した。
8週齢の雄性New Zealand White種(家免)を一群5匹で実験に用いた。ヒ素投与群は亜ひ酸ナトリウム(無機の3価ヒ素;10%-NaAsO_2)とひ酸2ナトリウム(無機の5価ヒ素;10%-Na_2HAsO_4)、そして、対照群には水道水を自由摂取させ、18週間飼育した。飼育期間中は経時的に尿を採取した。飼育最終週に屠殺し臓器を採取した。臓器中80HdG濃度の測定は2種類の方法を用い、臓器中8-OHdGはHPLC-電気化学検出器測定法、尿中8-OHdGはELISA法でを用いた。3と5価ヒ素投与群の肝臓と腎臓中8-OHdG濃度は共に対照群に比べて、4.89-5.68倍の高値に上昇し、有意な増加が確認された(t-test ; P<0.001)。しかし、肺中8-OHdGに顕著な変化は示されなかった。さらに、無機の3と5価ヒ素投与群には異なる傾向は示されなかった。ヒ素投与後の尿中8-OHdG濃度について検討した。無機の3と5価ヒ素投与群共に投与後、尿中8-OHdG濃度は徐々に上昇する傾向が示され有意な増加を示した(t-test ; P<0.05)。その後、6週目以後では平行状態が保持される傾向が示された。無機の3と5価ヒ素投与群における尿中8-OHdG濃度は、無機の5価ヒ素が3価ヒ素に比較してやや高値である傾向が認められた。
急性と慢性ヒ素中毒患者において尿中8-OHdG濃度は無機ヒ素曝露により上昇する現象は確認していたが、本動物実験において、8-OHdGの生成は無機ヒ素の化学形態に関して特に顕著な違いの存在しないことが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 網中雅仁, 山内 博, 吉田勝美: "慢性砒素曝露家兔における臓器中8OHdGについて"日本衛生学雑誌. 57・1. 262 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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