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2001 年度 実績報告書

網膜動脈血管構造の定量測定法を用いた高血圧遺伝素因と血管発生との関連の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13770185
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

田口 理恵  東京大学, 保健管理センター, 助手 (90301126)

キーワード高血圧 / 血行動態 / 家族歴 / 予防医学 / 若年者 / 公衆衛生看護
研究概要

高血圧遺伝素因は独立した高血圧発症の危険因子であることから、これまで我々は本学新入生を対象に_度にわたり大規模な調査を実施し、高血圧遺伝素因の強い学生では正常血圧範囲内であるが遺伝素因の弱い者に比べて既に血圧が有意に高く、交感神経活性が冗進し、インスリン感受性も低下していることを報告してきた。しかしながら遺伝素因とこのような血圧異常とを結ぶ機序については明らかになっていない。このため、本研究は高血圧遺伝素因が血管構築ならびに血行動態に異常を惹起するか否か検討することを目的として行った。
最初に、平成13年度以前入学の本学学部学生ならびに大学院生約11,000名を対象とした高血圧家族歴の調査を行い、高血圧遺伝素因を定量化して素因の強度によりサブグループに分類し、素因の最も強い群と最も弱い群の2群を抽出して検査対象群とした。非観血的網膜動脈測定系を用いて眼底網膜動脈の血行動態、血管密度や血管径等の血管構築諸変量を計測し、2群間で比較検討した。その結果、網膜中心動脈の拡張期血流速度は遺伝素因の強い群で弱い群に比べて有意に25%高値を示した(2.4±0.5 vs. 2.9±0.9cm/sec、p<0.05)。網膜中心動脈収縮期血流速度についても有意ではないが、同様の傾向が認められた。
高血圧遺伝素因の強い若年者においてすでに顕著に血流速度が上昇していることが明らかになったことから、高血圧遺伝素因は高血圧発症前の20歳前後において微小循環調節に異常を惹起することが示唆された。このような遺伝素因による血行動態の変化は、血管障害性に働くと考えられ、高血圧遺伝素因自体が臓器障害を引き起こす一つの要因となる可能性が示唆された。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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