研究概要 |
今年度は"成長期の体格及び骨量評価"と"成長期における「体格と骨の発育」の関連要因の検討(断面研究)"の2つを柱に研究を推進していった。 1.成長期の体格及び骨量評価 学校フィールド(小学校〜大学)の健常学生約500人を対象として,体格及び体格組成の各指標(身長体重,Body mass index,体脂肪率,皮脂厚,waist/hip ratio等)を評価する一方で,乾式踵骨超音波法の骨量測定装置(アロカ社:AOS100)を用いて,骨量測定(超音波伝播速度,超音波減衰係数,音響的骨評価値【OSI】)を行った。また,3次元的骨評価も行うため,足の大きさ,踵骨幅等の生体情報も非侵襲的に収集した。 2.成長期における「体格と骨の発育」の関連要因の検討(断面研究) (1)対象児童の個人的属性(関連要因)を調査実施。 同一対象者におけるOSIの1年間の増加率について縦断検討をおこなった結果,OSIの1年間の増加率は,男子では6〜9歳では減少を示し,9〜10歳で増加を示すが,10〜12歳で減少を示し,13〜14歳で再び増加を示す2相性の増加を認めた。これらは,身長・体重の1年間の増加率と鏡面対称の2相性の増加であった。女子においては,OSIの1年間の増加率は6〜13歳まで年齢とともに増加を認め,身長体重の1年間の増加率も年齢とともに増加を示した。 (2)成長期における骨年齢と骨量の関連性の検討 今回,超音波による踵骨骨量と近年開発された骨年齢自動評価システム(Computer aided skeletal maturity assessment : CASMAS,日本アルトマーク)による骨年齢との関連性にっいて,基礎的検討をした。成長期における,超音波踵骨骨量に対する骨成熟の影響は,骨量指標によって異なり,またその程度に性差がある可能性が示唆された。また暦年齢に比べ骨年齢の影響は小さいと考えられ,超音波骨量を重回帰モデルで予測する上で,暦年齢だけで予測可能であることが示唆された。
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