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2001 年度 実績報告書

病因遺伝子解析結果に基づいたベーチェット病の病態解明の試み

研究課題

研究課題/領域番号 13770238
研究種目

奨励研究(A)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

桑名 正隆  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50245479)

キーワードベーチェット病 / HLA / 細胞傷害性T細胞 / 自己反応性T細胞 / マイクロサテライト / MICA
研究概要

ベーチェット病と関連する遺伝的素因としてHLA-B51とHLAクラスI類似分子MICAの膜貫通部分のマイクロサテライト領域のA6配列が報告されているが、これらの要因がベーチェット病の病態とかかわる機序はいまだ明らかではない。そこで、HLA-BとMICAの両者がベーチェット病と関連する可能性を考え、そのひとつのメカニズムとしてCD8^+T細胞がB51分子に提示されたMICA-A6部分を含むペプチド(A6ペプチド)を認識するという仮説を考えた。この仮説を検証するため、ベーチェット病患者においてA6ペプチドと特異的に反応するT細胞の検出を試みた。ベーチェット病12例、健常人4例の末梢血T細胞を自己の抗原提示細胞とIL-2存在下でA6ペプチドで反復刺激し、得られたT細胞株のA6ペプチド刺激により産生されるIFN-γを測定した。A6ペプチドによる特異的なIFN-γの産生はベーチェット病3例にのみ検出された。B51との関連を検討すると、A6ペプチドに対するT細胞の反応性はB51陽性ベーチェット病7例中3例で観察されたが、B51陰性ベーチェット病5例、健常人4例では検出されなかった。A6ペプチド反応性T細胞が検出された例はすべて何らかの疾患活動性を有しており、治療による眼病変の改善によりIFN-γの産生誘導は消失または減少した。以上の成績から、MICA-A6部分を認識するCD8^+T細胞傷害性T細胞はB51陽性ベーチェット病患者の末梢血中に存在し、ベーチェット病の炎症性病態に関与する可能性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kuwana M, et al.: "Autoreactive T cells to topoisomerase I in monozygotic twins discordant for systemic sclerosis"Arthritis Rheum. 44・7. 1654-1659 (2001)

  • [文献書誌] Kuwana M, et al.: "Induction of antigen-specific human CD4^+ T cell anergy by peripheral blood DC2 precursors"Eur J Immunol. 31・9. 2547-2557 (2001)

  • [文献書誌] Kuwana M, et al.: "Autoantibodies to the amino-terminal fragment of β-fodrin expressed in glandular epithelial cells in patients with Sjogren's syndrome"J Immunol. 167・9. 5449-5456 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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