ヒト末梢血リンパ球cDNAをテンプレートに用いて、癌遺伝子c-mycの調節因子であるfar up-stream element binding protein(FUSE結合蛋白=ヒトDNA helicase V)の全長cDNAをnested PCRを用いて分離に成功した。(シークエンスを行い、DNA配列を確認済) FUSE結合蛋白の抗原エピトープ解析を行うため、まずはKH-domain(DNA結合部位)の精製を目的として、86-457アミノ酸残基に相当する部分cDNAをnested PCRにより獲得し、発現ベクター(プラスミドpTriex)にサブクローニングして、大腸菌に発現させたHisTag付き蛋白(KH蛋白)を獲得した。TALON(コバルトレジンカラム)を用いてKH蛋白を精製し、免疫ブロットの抗原として用いた。 関節リウマチ(RA)72例の患者血清を希釈し(抗大腸菌抗体吸収済)、患者血清中のIgGと、精製KH蛋白との抗原反応性を検討したところ、72例中5例(7%)、にKH蛋白との反応性が確認された。 (FUSE結合蛋白の抗原エピトープ解析を進めるにあたり、N末、C末解析用の精製蛋白の発現を試みるも、いまだ成功せず、細かいエピトープ解析ができていない状況である。KH蛋白に関しては、大量精製を行い、ELISAを行うことでRA活動性との関連や、他の膠原病での抗体陽性率について検討を行っていく予定である。)
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