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2001 年度 実績報告書

MAPキナーゼを標的とした慢性大腸炎に対する新しい治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 13770269
研究種目

奨励研究(A)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

新井 潤  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30306683)

キーワードP38 MAPK / CD45Rbhigh transfer mice / 腸管免疫 / DSS腸炎 / Tリンパ球 / 炎症性腸疾患
研究概要

本研究では種々のストレス刺激やすサイトカイン刺激に応答して免疫担当細胞から炎症性サイトカインを産生する細胞内シグナル伝達系のMAPキナーゼカスケード(p38、JNK)に着目し、慢性炎症性腸疾患の炎症部粘膜組織におけるMAPキナーゼカスケードの活性化のメカニズムおよびその活性化を阻害することによる粘膜局所における炎症進展の抑制効果を検討することを目的とした。
本年度においてはヒトの潰瘍性大腸炎類似の腸炎を発症する急性および慢性DSSモデルを用いて以下の実験を行った。
1.p38阻害薬皮下注群、p38阻害薬経口投与群、コントロール(未治療)群の3群に分け、下痢、下血の有無、体重の変動、死亡率を観察した。経口投与群はコントロール群と比較して、下痢、下血も抑制され、体重の減少も抑えられた。これに反して、皮下注群では、コントロール群と有意な差が認められなかった。p38阻害薬の投与法による、薬物の体内動態の差など検討する必要性があると考える。
2.急性においては10日目、慢性においては4週目にマウスを屠殺し、腸管の炎症の程度を肉眼的および組織学的に評価するとともに、腸管粘膜組織におけるp38MAPキナーゼの活性化をウェスタンブロットおよび免疫組織化学により検討した。急性モデルでは経口投与群で肉眼的にも組織学的にも、炎症の改善効果が認められたが、慢性モデルでは3群に有意差を認めなかった。MAPキナーゼの活性化は経口、皮下注群で抑制される傾向を認めたものの有意差は認めなかった。今後はp38MAPキナーゼの上流にあるSEK1、MKK7、MKK3/6の活性化をリン酸化抗体により検討する必要があると考える。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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