Kunitz domain-like sequenceに変異を持つWHV株の作成を行った。 まずreplication competentなWHVのクローンWHV8は、CMVのpromoterでdriveし、以前作成したWHV固有のpromoterで発現させたfull-lengthのWHVクローンよりも強力に発現することをin vitroの系で確認した。このWHV-8をもとにしてX遺伝子の変異株を作成した。Kunitz domain-like sequenceは、X遺伝子のaa60-70とaa130-140の2カ所にわたり、このいずれもが、transactivationに重要であると考えられている。そこで、この2カ所の両方、または一方にpoint mutationあるいはdeletionを導入した。まず、この2カ所の領域の塩基配列をもとに、変異を導入した両方向のプライマーを作成し、X領域の外側のプライマーとの間でPCRを行い、次に、外側のプライマー同士でPCRを行い、Kunitz domain-like sequenceに変異を持つfragmentを作成した。このfragmentの両端近くに、WHVのユニークな酵素サイトがくるように当初のプライマーを設定し、WHV-8との間でcassette exchangeを行って、Kunitz domain-like sequenceに変異を持つfull-lengthなWHV株を作成した。同様にして、Xの開始コドンに変異を導入し、X遺伝子が全く発現しない変異株も作成した。このコンストラクトをin vitroで、培養肝癌細胞huH7に導入して、in vitroでの複製の有無について確認した。
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