研究概要 |
気管支喘息患者,非喘息対照ボランティアをエントリーした。喘息患者は新患が望ましく,これまで抗ロイコトリエン療法を受けていない患者で、ステロイド剤の投与を受けていないものとした。対照ボランティアは,呼吸器疾患を有していても良いが,アレルギー疾患,アトピー素因等の背景を有さないものとした。 両群の被験者より,DNA抽出及び血清IgE・末梢好酸球数測定用の血液約20mlの採取を行った。スパイロメトリーを使用して一秒率など肺機能データの測定を行い,気道過敏性素因検査としてメサコリン吸入試験を施行する。また,アトピー素因の検索のため各種抗原に対する皮内反応を施行する。アスピリン喘息の既往がある患者には,スルピリン吸入試験を行ってアスピリン不耐性を評価した。 DNAの抽出および,アトピー素因検出のための皮内反応はキットを用いて行い,血清IgE・末梢好酸球数の測定は臨床検査室で行う。肺機能検査・メサコリン吸入試験は,肺機能検査室にて施行した。 採取された被験者のDNAを用い,これまで筆者らのグループが発表してきたRFLP法によるロイコトリエンC4合成酵素の遺伝子多型解析を行った。ここでは,DNA抽出キット,PCRサーマルサイクラー,TAQポリメラーゼなどのPCR試薬,電気泳動槽,制限酵素(3種類),紫外線照射器,写真撮影機,泳動用ゲル,ガラス器具などを使用した。 平成13年度の実験結果では、従来の結果とは異なる人種差の問題が浮き彫りになっている。 以上による平成13年度の研究成果は、第26回国際内科学会議(平成14年5月26日〜30日)にて発表予定である。また、現在検討中のデータと合わせて、論文発表する見込みになっている。
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