研究概要 |
肺構造の破壊および再構築をともなう慢性肺疾患,とくに肺胞病変を主体とする様々な疾患に対する喫煙の及ぼす影響を解明するため,タバコ煙の中でもとくに主成分であるニコチンに今回注目し,様々な肺胞構成細胞のうちとくにeffector細胞として重要な肺胞マクロファージに対する直接作用を解析する.肺胞マクロファージは刺激に応じてさまざまなサイトカイン,成長因子,オキシダント,酵素などを発現し,肺疾患の発症や病態の重要な役割を担っている.なかでも,MMEが喫煙で増加することが証明されており,さらにMMEのノックアウトマウスに肺気腫が発症しないことから,喫煙がMME発現を誘導していることが強く推測される.本研究では,まずin vitroで肺胞マクロファージにニコチン刺激を加えてMME発現への影響を検討する.また,ニコチン刺激がマクロファージのIL-8などのサイトカイン発現にどのような影響を与えているかも検討する.さらに,肺胞マクロファージのモデルとしてU937培養細胞を用いて同様に検討を行い,さらにMME遺伝子の発現調節に関する詳細な解析を行う.
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