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2002 年度 実績報告書

α-synucleinの凝集過程におけるα-synucleinキナーゼの役割

研究課題

研究課題/領域番号 13770320
研究機関広島大学

研究代表者

山下 拓史  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20311813)

キーワードα-synuclein / パーキンソン病 / Fyn / c-Src / Pyk2 / RAFTK / Lewy小体
研究概要

神経変性疾患は病理学的には各疾患に特異的な封入体の形成により特徴づけられる。その構成蛋白はリン酸化されていることが多く、一部では異常なリン酸化が封入体形成の一因と考えられている。パーキンソン病にみられるLewy小体の主要な構成蛋白のひとつがα-synuclein(αS)であるが、我々は、その凝集過程においてリン酸化が関与しているか検討する目的で、まずαSリン酸化酵素の検索をおこなった。In vitroでのリン酸化アッセイではチロシンキナーゼファミリーのc-SrcならびにFynがαSをリン酸化した。細胞に対する(高浸透圧)ストレスによるin vivoにおけるリン酸化実験でも前述の酵素によるリン酸化が認められたが、これらの酵素の上流にPyk2/RAFTKが関与していた。またαSの4つのチロシン残基のうち125位のチロシンがこれらの酵素の基質であることを明らかにした。しかしながら、抗リン酸化チロシン抗体でLewy小体を免疫染色したところ、リン酸化は認められなかった。すなわちαSの125位に関して、そのリン酸化は凝集を促進しないものと考えられた。一方、チロシンニトロ化によるオリゴマー形成については、125位のチロシンをフェニルアラニンに置換した場合著明に抑制されたが、その他のチロシン残基の置換ではオリゴマー形成に変化がみられなかった。以上のことからc-SrcやFynによるαSのリン酸化は異常な凝集を抑制する方向に作用するものと考えられた。さらに我々は、Pyk2/RAFTKのアダプター蛋白をyeast two hybrid法によりスクリーニングし、その中からPyk2/RAFTKによるαSのリン酸化を抑制させるものとして新規蛋白のPRAPを単離し、現在αS凝集体形成能との関連を検索中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takahashi T.: "Tyrosine 125 of alpha-synuclein plays a critical role for dimerization following ;nitrative stress"Brain Research. 938. 73-80 (2002)

  • [文献書誌] Nakamura T.: "Activation of Pyk2/RAFTK induces tyrosine phosphorylation of alpha-synuclein via Src-family kinases"FEBS Letters. 521. 190-194 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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