研究概要 |
当科および関連施設で経過観察中の家族性脊髄小脳変性症29例および孤発例5例について,本人・家族の同意のもと遺伝子解析を施行した.Machado-Joseph disease(MJD)が41.3%と最も多く,次にspinocerebellar ataxia type 6(SCA6)が17.2%, dentatorubural-pallidoluysian atrophy(DRPLA)が6.9%認められた.このうちSCA6ではP型カルシウムチャネルαサブユニット(CACNA1A)3'末端のCAGリピートの延長が知られているが,本報告では21〜27リピートが認められた.今回の検討では疾患の割合は,ほぼ全国の分布に近いと考えられた. 現在CACNA1A cDNA constractを作製中であり,今後SCA6 typeのCAG repeat expansion,あるいは反復発作性失調症(episodic ataxia type 2:EA-2),および家族性片麻庫性片頭痛(familial hemiplegic migraine:FHM)で報告されたmutant cDNAを作製し,培養細胞系に発現させ,その機能変化,形態を検討する予定である.
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