研究概要 |
昨年度,当科および関連施設で経過観察中の家族性脊髄小脳変性症の遺伝子解析結果を報告した.Machado-Joseph disease(MJD)が41.3%と最も多く,次にspinocerebellar ataxia type 6(SCA6)が17.2%,dentatorubural-pallidoluysian atrophy(DRPLA)が6.9%認められた.このうちSCA6ではP型カルシウムチャネルαサブユニット(Ca_v2.1)3'末端のCAGリピートの延長が知られているが,本報告では21〜27リピートが認められた.Ca_v2.1の遺伝子異常が原因となる疾患としては,他に反復発作性失調症(episodic ataxia type2:EA-2),および家族性片麻痺性片頭痛(familial hemiplegic migraine : FHM)が知られている. 今年度,我々はCa_v2.1cDNAを作製し,これにEA-2,FHMの原因として知られる点変異,SCA6で認められるCAGリピートの延長を導入した.これをtsA201細胞に発現させ,変異Ca_v2.1の電気生理学的特性を検討する.また変異Ca_v2.1を発現させたPC12細胞を神経成長因子(NGF)で刺激し,その形態的特徴をwild type Ca_v2.1と比較検討する.
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