研究概要 |
我々は、ほぼ純粋に両下肢の痙性対麻痺を呈するAD-FSP2家系(H家系およびN家系)に遭遇し,Follow upしてきた.その遺伝子解析に関する研究成果をここに発表する.インフォームドコンセントを得た上で採取したこの2家系の血液検体からゲノムDNAを抽出し,まず連鎖解析にて2家系が2pと連鎖していることを確認した.その後,17個の各ExonをPCR法を用いて増幅し,直接シークエンスを行った.なおExon1についてはサブクローニングを行った後にシークエンスをした. この結果,H家系ではExon8内に新たなinsertion mutation(nt 1272-1273 in sA)を,またN家系ではExon12内に新たなmissense mutation(nt 1579 C→T)を見いだした.これはいずれも過去に報告のない,新規の遺伝子変異であった.臨床像の検討では、H家系は比較的均一な症状(中年以降の発症で,症状の進行は比較的緩徐)であるのに対し,N家系は家系内でも発症年齢および症状の進行にばらつきがあることが判明した.Genotype-phenotype correlationは今後の課題でもある. 以上の研究成果を以下の2つの論文として発表した(Namekawa M et al.:J Neurol Sci 2001;185:63-68. Namekawa M et al.:Acta Neurol Scand 2002;in press).
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