研究概要 |
本年度の研究実施計画として,open cranial window(dura intact)を作成したWister ratの虚血再灌流モデルを用いての脳表および深部悩血管の観察をHMG-CoA還元酵素阻害薬(以下statin)投与群と非投与群で行なうことを予定していた.実験モデルの作成にあたり,cranial windowの作成に関しては問題なく安定したモデルが作成できた.前悩虚血・再灌流モデル作成は,観察部位(脳表)付近の損傷を極力少なくするため,両側総頚動脈閉塞後に動物の下半身を陰圧にし血液poolingし,圧を解除することによって再灌流するモデルを選択した.しかし,陰圧により悩血流を低下させる程度を一定にすることが困難であり,脳血流低下の程度に若干のばらつきが見られたため,この虚血モデルの安定に時間を要した. また,悩血管の観察においてはconfocal laser scanning microscopy(以下CLSM)にて悩表および100μm下の深部静脈と直径5μm以下の毛細血管を観察するとしていたが,CLSMのscanning timeと動物の呼吸による体動のため,観察面のずれが生じ,同一の血球成分の観察が困難であった.そのため人工呼吸機の呼吸回数とscanning rateを同期させ,同一面を観察するよう現在設定中である. これらの理由により,平成13年度は実験準備の設定に予想以上の時間を要したため,設定していた実験群の検討が始められていない状態である.現在も安定したdateの得られるモデル作成のための方法を検討中である.
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