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2001 年度 実績報告書

メチルフェニデートはなぜ注意欠陥多動障害に有効か

研究課題

研究課題/領域番号 13770417
研究種目

奨励研究(A)

研究機関久留米大学

研究代表者

福井 隆一  久留米大学, 医学部, 助手 (00309791)

キーワードメチルフェニデート / 注意欠陥多動障害 / ドーパミン / DARPP-32 / リン酸化 / 線条体
研究概要

現在社会的に最も注目されている発達障害である注意欠陥多動障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder : ADHD)の治療薬として、メチルフェニデート(MPH)などの中枢神経刺激薬が有効である。その病態はドーパミン神経系の機能低下などのドーパミン代謝が関与していると考えられるが、MPHが脳内でどのように作用しているのかは解明されていない。
線条体では神経細胞(中型有棘神経細胞;medium spiny neuron)の細胞質内において、ドーパミンにより制御される蛋白DARPP-32(dopamine-and cAMP-regulated phosphoprotein of Mr 32 kDa)が選択的に発現している。DARPP-32は、cAMP依存性プロテインキナーゼ(PKA)によりThr34残基がリン酸化されるとプロテインフォスファターゼ1(PP-1)活性抑制蛋白として、神経型サイクリンキナーゼ(Cdk5)によってThr75残基がリン酸化されるとPKA活性抑制蛋白として作用する。
今回、線条体神経細胞に発現するDARPP-32のリン酸化を指標として、MPH作用を解析した。研究方法は、DARPP-32リン酸化調節機構をマウス線条体スライスをウェスタンブロッティング法で標的とする蛋白をECL(Enzyme-linked Chemiluminescence)にて検出し、化学発光をX線フィルム上に記録しデンシトメトリーを用い定量化し解析した。その結果、MPHは、神経終末からのドーパミン再取り込みの抑制によりドーパミン作用を増強させ、ドーパミンD1受容体作用の増強により活動性が上昇することが判明したが、この結果はADHDにおけるMPHの治療効果と逆の作用と考えられた。
今後の計画としては、ドーパミン情報伝達系の発達過程である幼若マウスの線条体スライスを用いてMPHによるDARPP-32リン酸化調節を解析し、成熟マウスから得られた知見と比較し発達過程でのドーパミン情報伝達系・MPH作用の特徴を明らかにする。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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