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2001 年度 実績報告書

全身性強皮症とそのモデルマウスにおけるサイトカインおよびケモカインの関与

研究課題

研究課題/領域番号 13770434
研究種目

奨励研究(A)

研究機関金沢大学

研究代表者

長谷川 稔  金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (50283130)

キーワード強皮症 / サイトカイン / ケモカイン / Fractalkine / interleukin 18
研究概要

本年度は、全身性強皮症(systemic sclerosis, SSc)患者の血清中fractalkineをELISAにて測定した。Fractalkineは、活性化血管内皮細胞上に発現し、ケモカインとしての遊走活性と接着分子としての機能を合わせ持つユニークなケモカインである。SScの患者では、血清中のfractalkineの濃度が健常人に比べて著明に上昇していた。SScの中でも、限局型のSSc患者に比べ、びまん型のSSc患者ではfarctalkineの濃度の高い傾向がみられた。また、fractalkineの上昇している患者では有意に高率に肺線維症が認められ、肺活量や拡散能などの呼吸機能の低下が高率に認められた。更に、fractalkineの上昇している患者では、赤沈の亢進や血中の免疫グロブリンの上昇が高率に認められた。このように、血清中のfractalkineはSScでは有意に上昇しており、広汎な皮膚硬化や肺線維症などを有する重症例で高い傾向が認められた。また、個々の患者の治療経過における血清中のfractalkineの変動を解析したところ、fractalkineは皮膚硬化の進行している時期や肺線維症の増悪期に高い傾向がみられた。一方、治療により皮膚硬化の改善している時期にはfractalkineは低下する傾向がみられた。このことから、血清中のfractalkineはSScの病勢をよく反映する指標としても有用と考えられた。また、SScにおいて炎症性サイトカインのひとつであるinterleukin(IL)-18の血中濃度を測定したが、SScでは健常人に比べ、IL-18が著明に上昇していた。限局型のSSc患者に比べ・びまん型のSSc患者ではfarctalkineの濃度の高い傾向がみられた。また、IL-18の上昇している患者では赤沈やCRPなどの炎症マーカーが上昇していた。このことから、IL-18はSScの病態に関与し、SScにみられる皮膚硬化や炎症に関与しているものと考えられた。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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